こんにちは〜、つばさです。
分散投資を否定する意見の一つとして、各アセットクラスの相関性(連動性)の高さがよく挙げられます。
特に、株式市場については、「相関性が年々高まっているため、分散投資は意味がない」といった意見を聞くことが多いです。
リーマン・ショックがあった2008年頃によく議論されていましたね。
(「長期分散投資の時代は終わった」なんて意見もありました。)
たしかにインターネットが発達した現代では、リーマン・ショックなどの大きなニュースは全世界に瞬時に伝わるため、各国の株式市場も似たような値動きになるのかもしれません。
そこで、リーマン・ショック後も世界の株式市場の相関係数は高止まりしたままなのか少し気になったので、調べてみることにしました。
分析条件
分析期間は1988年1月〜2018年3月。
相関係数の推移が分かるように、当該時点から過去1年間の月次リターンデータから相関係数を算出し、グラフにしました。
各インデックスのデータはMSCI社、円換算するための為替レートは日本銀行のデータを使用しました。
日本株式と先進国株式の相関係数
日本株式(MSCI JAPAN)と先進国株式(MSCI KOKUSAI)の相関係数です。
日本株式と新興国株式の相関係数
日本株式(MSCI JAPAN)と新興国株式(MSCI Emerging)の相関係数です。
先進国株式と新興国株式の相関係数
先進国株式(MSCI KOKUSAI)と新興国株式(MSCI Emerging)の相関係数です。
まとめ
相関係数とは、相関性を数値化したもので、+1に近いほど相関性が高く、-1に近いほど逆の値動きをすることになります。
たしかに「日本株式」「先進国株式」「新興国株式」の相関係数は正の相関ではあるものの、国際分散投資の有効性を否定するような高い数値ではありません。
少なくとも相関係数が+1でない限り、分散効果はあると思います。
グラフを見ても分かりますが、相関係数は一定ではなく、常に変化しています。
相関係数が高くなった一時期だけで分散投資を否定するのではなく、相関係数は常に変化するものだということを頭に入れておきたいですね。
おまけ(リターンとリスク)
参考に、リターンとリスク(標準偏差)についてもグラフにしてみました。
日本株式
先進国株式
新興国株式
最後に
おまけのグラフを見ても分かるとおり、相関係数だけでなく、リターンやリスク(標準偏差)についても、一定ではなく、常に変動していることが分かります。
アセット・アロケーションを計算する際には、過去のデータをそのまま当てはめるのではなく、機関投資家の数値を参考にするなど工夫した方がよさそうです。
最近では、「株式投資は米国株だけでいい」という意見が増えてきているみたいですが、リーマン・ショック時は「米国株はもう終わった」という意見が多かったので、時の流れを感じます。(※1)
わたしは国際分散投資の有効性を信じて、今後も国際分散投資をコツコツと続けていこうと思います。
アディオス!
※1 もちろんわたしも米国株大好きです!米国株ブロガーを否定するものではありません。