つばさのコツコツ投資日記

投資信託(インデックスファンド)をつみたてて資産形成しているコツコツ投資家です。

つばさ&セロンのブロガー対談会(後編) 〜これからの10年について〜

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こんにちは〜、つばさです。

 

先日、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019」というイベントに参加してきました。

 

今回は、プレゼンターという大役を与えていただき、楽しく過ごすことができました。

 

イベント終了後は、同級生であり、投資歴もほぼ同じというセロンさんと対談会を開くことになりました。セロンさんは、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」と「インデックス投資ナイト」の実行委員でもあります。

 

前編はすでにセロンさんのブログで公開されていますので、そちらをご覧ください。

 

blog.goo.ne.jp

 

後編のテーマは「これからの10年について」です。お楽しみください。

 

 

 

投資信託のコスト競争について

 

セロン「ここからは『これからの10年』について話していきたいと思います。まずは運用会社について。投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Yearでニッセイアセットマネジメントさんが信託報酬を引き下げるという話をしていましたが、これからも信託報酬引き下げの流れは続いていくと思いますか?」

 

つばさ「そうですね。例えばもっと純資産が増えれば、その分必要な経費に対する比率っていうのはどんどん小さくなっていくから、バンガードのVTみたいに純資産が増える度に総経費率がどんどん下がっていく、そういう流れになっていくのかなと思いますね。他の運用会社も下げてきているけど、後出し感があって、もう下がるところまで下がったのかなっていう。これからもコストは下がっていくんでしょうけれど、コストの下げ幅としてはベーシスポイント単位の競争になってくると思います。」

 

これからの証券会社について


つばさ「運用会社はコスト競争を頑張っていますが、証券会社についても、米国だったら配当金を再投資してくれるドリップという制度があるんですが、日本にはそういうのが対応していなかったり。証券会社が改善できる余地はまだまだ残されているのではと思います。今後10年は証券会社のサービス改善を強く望んでいます。」

 

セロン「運用会社の場合、インデックス投信の信託報酬の引き下げは結構進んでいるので、これからも同じペースで進んでいくとは思えないですね。そうなると、違う切り口でもユーザーにアピールしていかなきゃいけない。これは持論ですが、最終的には運用会社の信頼や信用の問題になってくるのかと思っています。コストだけでは差別化出来なくなっていったとき、運用会社としてどうやってユーザーの信頼を獲得していくか。信頼を得る手段は色々考えられると思いますが、ここがこれからの10年の中ですごく重要になってくるのかなと思います。」

 

セロン「証券会社の場合は、去年の手数料横並びの無料っていうのは結構勢いでやってしまった感があるから、正直これからどうやって生き残っていくんだろうと不安に感じるところはありますね。」

 

投資信託の直販について

 

つばさ「その点、アメリカにはバンガードのような運用会社がありますが、日本でも直販でやりますみたいな流れが出てくるんじゃないかなと思っていて、実際三菱UFJ国際投信さんも直販口座ができたと思うんですけど、それがいまいち伸びてないのはまだそこまで信用されてない、まだ日本のバンガードになれていないというのはあると思いますね。」

 

セロン「直販が伸び悩んでいる理由って何だと思いますか?」

 

つばさ「やっぱりコストの差は大きいと思いますね。最近出てきてるインデックスファンドの信託報酬0.1%台でしのぎを削っている中で、アクティブファンドは信託報酬が1%近くある。そのコスト差はすごく大きいなと思いますね。」

 

セロン「きっと過渡期なんでしょうね。さっきの信頼の話にもなるんですが、バンガードだってアクティブ投信を運用していて、その投信にお金も入ってきています、と。それってバンガードだから安心できるというのもあると思うんですよね。投信がこれから10年またかけて幅広い人たちから信頼を得られるかというのは、運用業界が成長できるかどうかを左右する重要な課題だと思います。」

 

つばさ「そうですね。今その信託報酬を他社が下げたらそれに追いつくとかいうのが、個人的には本当に採算が取れてるのかなと思うところがあって、他のアクティブファンドを高い信託報酬で売ってそっちで収益を出して赤字を補填するようなことになってるんじゃないかっていう懸念はありますね。バンガードの様な適正な信託報酬の設定が出来ているのかどうか、できる体制になっているのか。やっぱり純資産総額を見ても、バンガードと比べるとすごい差が日本の投資信託の場合にはあって、本当ににそれで採算が取れているのかっていうところはちょっと心配ではありますね。」

 

セロン「日米で大きな違いが顧客層の厚さ。米国だと個人のお客さんまで投資が根付いているけれど、日本だと一部の人たちがやるっていう状況は10年前と比べてもそんなに変わってる感じはしないですね。」

 

日本の投資教育について

 

つばさ「例えば職場で『投資をしている人、手をあげてください!』 といっても、やってる人の3割ぐらい上がれば良い方なのかな、と。」

 

セロン「堂々と言える雰囲気ではないと。」

 

つばさ「そうですね。投資してて当たり前みたいな雰囲気ではない。」

 

セロン「顧客層の厚さっていう根本的な問題が変わっていかないと、ファンドの純資産総額にも反映していかないのかな、と。そういう意味では最近金融庁が学校教育で投資について積極的になっているのは個人的には期待するところがあって、学生のうちからそういうことにその慣れ親しんでおくのは、将来を考えてもすごく重要だなと思いますね。結局、自分で銀行口座を開くのでさえ普通はアルバイトを始めた時とか社会人だった時とか、金融との接点って結構後になってからからになってる。だからお金をのことを考える機会っていうのも大きくなってからになってしまっていて、それでは遅すぎるのかなと感じますね。もう少し手前の段階で、岡本さんのピギーちゃんじゃないんですけども、子供の頃から慣れ親しんでおかないと顧客層の拡大にも繋がらないし、金融知識がないからって騙されるみたいな話になってしまう。個人的には小さい頃から金融や投資について教育することが重要だと思いますね。」

 

つばさ「一般の人も投資に対する関心のなさも感じますが、一番大きな問題は、『2000万円問題』みたいな不安を煽るような報道を見て、レポートを読めば何の違和感もない内容なんですけど、それを一部切り取って『2000万円』という数字だけで躍らせるという...。テレビの影響って大きくて、伝える側がきちんとした認識を持っているのかな、と。今日の権丈先生が話していた公的年金の仕組みだったり、そういう基礎知識がないままに、報道するっていうのはちょっと嫌だなと、改善してもらいたいなと思いますね。」

 

セロン「そういった情報に踊らされずに冷静に判断するとなると、自分たちである程度知識を持つ、マネーリテラシーを持つ必要があると思いますね。できる範囲は個人によって違うけれども、年金とか老後とか分からない、不安だっていうところを解消できるように自分か情報を調べに行くっていう姿勢が大事なんじゃないかなと。それが切り取りされた情報に踊らされない方法だと思いますね。」

 

つばさ「踊らされる側にも責任があるし、踊らす方にも責任がある。一番いいのはみんな個人それぞれが必要最低限なマネーリテラシーを身につけて、マスコミが誤った過剰な演出をして放送するような内容でも、ちゃんと受け流せる知識をつけるっていうのが大事になってくるじゃないかなと。」

 

セロン「自分の子供にはどういう金融教育をしていきたいですか?」

 

つばさ「実はもう子どもの銀行口座と証券口座は作っていて、ジュニア NISA口座で投資しています。自分の子どもに対しては基礎的なところか教えていくのかな...。株式会社っていうのはどういう仕組みで運用されていて、社会がどう成り立っているか、あとは経済の仕組みだったり、お金を投資することの意味を、ある程度大きくなってからじゃなくて小さい時から身につけて欲しいなという思いがありますね。ジュニア NISA では楽天 VTを 買っていて、まあ今年は『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』に変更しようと思ってるんですけど、そういう仕組みの中で運用されたお金が、世の中の何か良い方向に向かうように使われていて、そのお返しとしてこれだけ資産が増えているというのを子どもに見せていきたいなと思っています。正しいマネーリテラシーを身につけてもらいたいですね。」

 

セロン「私もほとんど同じ意見で、金は天下の回りものじゃないですけど、自分だけで経済は成り立たなくて、いろんな人との関わり合いがあってこそ成り立っていくんだよっていうのを自分の子どもには伝えたいですね。あとはうちもジュニア NISA を使って積立をして、20歳の時にお金を渡したいなと思ってたんだけれども、ジュニアNISAが廃止になってしまうからどうしようかなと(笑)。意図せず自由に換金できる制度に変わったのは凄く嬉しいんですけれども、ただマネー教育として20歳までジュニアNISAを続けられないっていうのは非常に残念ですね。ジュニア NISA が終わってしまったら、未成年者向けマネーリテラシーに使える実践講座が無くなってしまうから、それは何かしらカバーしてもらいたいですね。」

 

つばさ「やっぱりつみたて NISAを未成年でも活用できるよう、範囲を広げていくのが一番いいのかなと思いますね。」

 

セロン「私もそれを凄く望んでいます」

 

つばさ「やっぱり個人投資家としてはマネーリテラシーを子どもには身につけてほしいと思いますね。」

 

セロン「自分たちがやってることを子どもにどう伝えていくか。それがこれからの10年の課題ですね。」

 

つばさ「あとはそれをどう分かりやすく伝えていくのかが悩ましいところで、数字だけを見せることってあまり意味がない。例えばお菓子を買ってあげた時にこのチョコレートの原材料のカカオはどこで取れているのか、どういう流通経路で、どこの工場で作られてこっちに来てるのかとか、そういう身近なところから社会や経済の仕組みを知ってもらうように心がけて教育していきたいなと思いますね。」

 

セロン「自分が東日本大震災の時に結構揺れが大きい地域にいて実感したんですが、日常生活はいろんな人の支えがあって成り立っている。魚の缶詰ひとつでも、魚を取る、運搬する、加工する、また運搬するっていう経路を経て、最終的に自分のところにたどり着いているんだなっていうのをあの震災を通してすごく感じました。自分の子供にもそういう経済とか日常生活ってのは自分一人じゃ成り立たないんだよなでも伝えていきたいなと思いますね。」

 

つばさ「どういう仕組みで今、こういう幸せな生活を送れているのかを教えていけば、マネーリテラシーも身につくのかな、と。給料もらう頃には投資に関心をもったり、寄付だったり消費についても自分で考えられるようになって欲しいなと。」

 

セロン「大事なのはそういったことを、『親から教えられた』ではなく『自分で気付ける』ように育てていきたいなと思いますね。」

 

つばさ「そうですね。」

 

セロン「本日はありがとうございました!」

つばさ「ありがとうございました!」

 

最後に

 

いかがだったでしょうか?

 

セロンさんとは長い付き合いになりますが、今回の対談のようにしっかりお話をするのは初めてでした。

 

投資歴も近くて、同じ投資経験を積んでいるだけあって、考え方も似ているな〜と、改めて感じました。

 

また、機会があったら、他の投資家さんとの対談記事なんか書けたらいいなと思います。

 

 

それでは、アディオス!